靴のはなし

大きなサイズのパンプスが作りたくて

私は、足のサイズが27センチくらいあります。

実際の足長ではなくて、市販の靴で合うサイズがだいたいそれくらいです。
中学生の頃には、25センチくらいだったと思うので、
物心ついたときからかわいい靴が履けず、常に靴選びでは悲しい思いをしていました。

そんな私が、30歳すぎてから靴づくりを始めるようになるまでを
自己紹介を兼ねて話したいと思います。

自分で靴を作ろうと思った経緯

海外へ行けば大きいサイズの靴があると希望を抱いた高校時代

子供の頃から足のサイズが大きかったのですが、ある程度のサイズになると履ける靴がなくなってきました。
高校時代は、基本スニーカー(男女兼用)。
「外人は足が大きいから、海外へ行けば靴はあるよ」と親に言われ、
海外へ行けばかわいい靴がある!と希望を抱いていました。
当時はインターネットも普及していなかったので、それを信じて夢みていました。

足が痛くてもハイヒールを履き続けた大学時代

大学時代になると、自分でいろいろなお店を回り、とにかく大きいサイズの靴を探し回っていました。

25センチ以上のサイズの靴があるお店はほとんどないので、25センチの靴でも少し可愛ければ履いていました。
もちろんサイズはあっていないので、少し歩けば足は痛くなります。

足が痛くなる苦痛以外にあったのが、靴を買う苦痛でした。

まず、25センチ以上の靴が置いてある場所は、大抵かわいい靴の並んでいる場所とは別区画や別フロアにあり、「25センチ以上」という案内に期待して見に行くと、大抵リクルートシューズみたいなものと、ちょっとデザインのあるものといった感じで、たいしてかわいい靴はありませんでした。

その中から、ましなデザインのものを選んで買っていました。

かわいい洋服は買えても、それに合わせるかわいい靴が買えないという状況、
靴を買いにいくときはいつも苦痛でした。

高級ブランド靴を買うために仕事を頑張ろうと思った20代前半

日本のメーカーでは結局自分の足のサイズの靴(リクルートシューズ以外に)はない、と気づき始め、高級ブランドではある程度大きいサイズがあると知りました。

高級ブランドの靴なら絶対にかわいいし、そんな靴が履けたら気分も最高ー!!と
今度はそんな靴を買うことを目標に生きていました。

海外でもそれ程大きいサイズの靴はなく、ブランドの靴を買っても足に合うものは少ないと気づき始めた20代後半

20代後半に海外旅行へ始めて行きました。
もちろんかわいい靴が買える!と思っていたので、何軒も靴屋さんを回りました。

そこで気づいたのが、日本よりは数はあるものの、やはり24センチくらいまでの靴がほとんどで、それ以上のサイズは作っているデザインが限られていました。

あれ?外人はみんな足が大きいはずでは??

どこかの靴屋さんでは、外国人の店員さんに「大きいわね!」とちょっと驚かれました。

結局、高級ブランド靴を買うしかないのかと思い、その頃にはインターネットも普及していたので、インターネットで靴を買うようになりました。

ところが、数万円で買った靴を履いてみると、縦の長さはあるのに甲がガバガバすぎて
歩くと脱げちゃうっ(泣)という靴がちらほら。。。

私は、ハイヒールのパンプスが履きたかったので、ガバガバ状態では歩くことができないため、履けずじまいの靴が何足もできてしまいました。

おしゃれを諦め始めた30代前半

30代前半は、田舎へ引っ越したこともあり、またスニーカー生活になりました。

田舎では、車移動なので靴はスニーカーの方がいいし、
ハイヒールでおしゃれに決めている人も見かけないし、
犬と遊んでいる方が楽しいし、
いろいろと言い訳ですが、だんだんとおしゃれすることから離れていきました。

自分で靴を作れると知って、希望に満ち溢れた33歳

靴は靴屋で買うもの。
どうやってどこで作られているのかなんて考えたこともありませんでした。

ある日ネットで、自分で靴が作れることを知りました。
しかも自分の足にあわせた靴が作れる!

その情報を知ったとき、これはやるしかない!!と思いました。
めちゃめちゃかわいいパンプスを作って、おしゃれして街中を闊歩するんだ!
足が大きいことがコンプレックスだった私が、自信を持って生きていける気がしました。

33歳のとき、仕事を辞めて靴づくりを学ぶことを決意しました。